“戦国武将の女体化”というありきたりなモチーフの萌えアニメと誤解されてる人が多そう(視聴前のtaraもその一人;;)ですが、その実態は毎回趣向を変えたバラエティ豊かなオムニバスアニメ。
単純にストーリーを楽しむも良し、潔くキャラに萌えるも良し、1話ごとにガラッと変わる多彩な演出を味わうも良し、多種多様なオマージュの元ネタを探るも良し…
何通りもの楽しみ方が用意された、上質のエンターテインメント作品だと思います(^^)
「百聞は一見に如かず。とにかく観てみて!」というのが偽らざる気持ちですが、そうは言われても取っ掛かりが無いと…ですよね(^^;)
ということで、僭越ながら簡単な視聴ガイド的なモノを書いてみます。視聴の参考にして頂ければ幸いです。
(ネタバレ無しですが、長くなるので続きは格納します)
前後編の第9・10話(COLLECTION 9-10「Ambitious Princess-I/II」)以外は全て独立した話として楽しめる作りになっていますので、どの話をどの順番で観ても問題ありません。
気になる話だけをつまみ食いする楽しみ方も大いにアリだと思いますが、最終回(FINAL COLLECTION「Sengoku Collection」)は全ての話を視聴した上で観ると感慨もひとしおです(^^)
その辺も含めて、各話の内容をネタばらしにならない程度に紹介を…
なお、サブタイトル後ろの( )内の名前はそれぞれの回でメインを張る武将です(クリックで公式サイトの紹介ページに飛びます)
COLLECTION 1「Sweet Little Devil」(織田信長)
導入回。必ずしも最初に観る必要はありません。観ておくと基本設定を把握できますが、設定を知らなくても楽しめる話が大半です(^^)
ニコニコチャンネルとGyaO!で常時無料配信中ですので、手軽に観ることができるという点では入門向きかも…
単体で観るとハーレム系アニメの初回みたいなボーイミーツガール・ストーリーですが、それも日替わりランチ的な作風の一つでしかありません。後のキャラ崩れが酷い(←褒め言葉)信長さんが普通にヒロインしていて、後から見るとかなり新鮮ですw
COLLECTION 2「Peaceful Empress」(徳川家康)
CV花澤香菜さんの家康ちゃんがアイドルになってスターを目指す話。『アイドルマスター』のシリーズ構成も担当されている待田堂子さんによる脚本回です(^^)
映画『スタア誕生』へのオマージュにもなっているとのことで、そちらを知っている方はより一層楽しめるかも。
COLLECTION 3「Pure Angel」(直江兼続)
百合カップルも多い『戦コレ』ですが、中でも百合成分たっぷりなのがこの回。上杉謙信様LOVEな純愛天使・兼続ちゃんのお話です。
現代世界での日常をゆったりと仲睦まじく暮らす二人からは「戦国」の「せ」の字も感じられなくて、『戦コレ』の世界観がよく解る話でもあると思います。モチーフとなっている映画は『ベルリン・天使の詩』、だそうです。
COLLECTION 4「One-eyed Dragon」(伊達政宗)
過去3話のどこかほのぼのした空気から一転、ハードでダークな雰囲気の回です。これもまた『戦コレ』(^^)
現代世界に馴染み切れてない政宗さんが悪人に利用されて囚人に…という話。政宗さんの男前なキャラも強烈です。スタイリッシュ成敗!(「スタイリッシュ成敗」の由来はこちらの記事で紹介されてます)
COLLECTION 5「Sword Maiden」(塚原卜伝)
個人的お気に入り回その1。
内容はというと、「戦国武将は危険な存在」と警鐘を鳴らす胡散臭いドキュメンタリー番組に卜伝ちゃんが巻き込まれるお話w
戦国世界から飛ばされてきた武将達が現代世界に溶け込んでいる様が虚実織り交ぜて描かれています(^^;)
COLLECTION 6「Knowledge Master」(平賀源内)
…はい、言いたいコトはよく解りますとも。平賀源内って武将じゃないし、そもそも戦国ですらない…ですよね(^^;)
その辺は徹底してアバウトでフリーダムなのが『戦コレ』でして、あまりこだわると楽しめません(「戦国」は飽くまで群雄割拠を象徴する単語で、「武将」=“志がある者”だと自分は理解してます)
タイムマシンの発明に情熱を注ぐ源内と居候先の少年との間のハートウォーミングなお話です。感覚で例えると『ケロロ軍曹』の“いい話”系のエピソードに近いような…
COLLECTION 7「Refined Bard」(松尾芭蕉)
個人的お気に入り回その2。風流人・芭蕉ちゃんが放浪先で出会った人々との心温まる交流のひとときを描いた話です(^^)
モチーフとなっている映画『バグダッドカフェ』は観たことがありませんが、いかにも昔の洋画らしい情緒に溢れてます。そんな中に純和風の芭蕉ちゃんを放り込むセンスが素敵w
全て五七五調で統一されている芭蕉ちゃんのセリフにも注目です。
COLLECTION 8「Regent Girl」(豊臣秀吉)
『戦コレ』全26話の中で最も狂ってるカオス回w
モチーフは『不思議の国のアリス』。不条理劇を観ているような落ち着かない気持ちになりますが、名塚佳織さん演じる秀吉ちゃんの可愛さが絶妙のアクセントとなってます(^^)
とにかく変な話を観たい人向け。そうでない人が最初にこの話を観ると『戦コレ』全体に「理解不能」のレッテルが貼られてしまうかもw
COLLECTION 9「Ambitious Princess-I」(北条早雲)
新九(しんく)こと北条早雲が高校生ライフへ殴り込みw
「戦国武将が現代へ」という『戦コレ』の設定を聞いた人が最初に思い浮かべそうなイメージを地で行く話です。価値観や常識のズレが生み出す笑いを重ねたコメディ(^^)
広橋涼さん演じる新九は“有能な山田(『WORKING!!』)”。山田好きなら必見ですw
COLLECTION 10「Ambitious Princess-II」(北条早雲)
サブタイトル通りの第9話の続編(後編)です。
9話は一般人の中に新九が一人投げ込まれた形でしたが、10話では新九以外の武将も登場。武将同士のバトルが初めて本格的に展開される回、という点に特徴があります。
『戦コレ』はバトルアニメではありませんが、バトル描写にも力が入っている回なので見応えがあります(^^)
COLLECTION 11「Brutal Maiden」(松永久秀)
戦国武将の中でも悪名高さには定評のある松永久秀(松永弾正)が、詐欺師の手練手管を操って裏社会で暴れ回ります。CV田中敦子さんということで大変アダルトで妖艶です(^^)
何故か漫才コンビのくりぃむしちゅー似のキャラが悪人役で登場。有田(キャラ名同じ^^;)がギャンブルで久秀と対決しますw
COLLECTION 12「Dancing Blossom」(前田慶次)
戦国の傾奇者として名を馳せた前田慶次がバイクにまたがり夜の闇を裂く!というお話。11話の久秀がダークヒーローなら、慶次は勧善懲悪の正統派ヒーロー。表の顔は地味なコンビニ店員、という設定も『スーパーマン』的です(話のモチーフは『サタデーナイトフィーバー』と『ナイトライダー』のようですが…)
「スタイリッシュ成敗」の第4話と比較するとコメディ色強めです(^^;)
COLLECTION 13「Silver Hornet」(杉谷善住坊)
『織田信奈の野望』にも登場した戦国のスナイパー杉谷善住坊。『戦コレ』では沢城みゆきさん演じるオレっ娘です。『戦コレ』アニメスタッフが放談を繰り広げるこちらの記事によると、後藤圭二監督のリクエストから誕生したキャラだとか(アニメから原作ゲームへの逆輸入)
第1話とリンクした構成になっていて、話に直接の繋がりはありませんが1話を観ていると信長の“成長”が実感できます(^^)
COLLECTION 14「Novel Deciders」(近藤勇・土方歳三・沖田総司)
第2クールの初回は変化球で新撰組。舞台が由緒正しい女子高で、通り名が金牡丹・黒桔梗・白蓮…と来れば当然『マリア様がみてる』を連想しますが、百合要素はほとんどありません(^^;)
モチーフはコメディドラマ『やっぱり猫が好き』とのこと。特に事件も起きないままダラダラと過ぎる日常回。キャラに愛着が湧いてくると何話でも続けて観たくなる変な中毒性が…w
COLLECTION 15「Annihilate Princess」(最上義光)
ホラー回。自分は詳しくないですが、ホラー好きをニヤリとさせる演出や小ネタが多そうです。
“ロリな叔母上”という新機軸なキャラ設定の義光(よしあき)ちゃんの可愛さが反則的。政宗さんの叔母上だそうで、話も第4話と少し繋がっています(単独で観ても問題ありません^^)
COLLECTION 16「Blade Adept」(足利義輝)
個人的お気に入り回その3。テーマの馬鹿馬鹿しさでは一二を争う名ドタバタ回です(^^)
第5話で登場済みの足利義輝が同じく再登場の柳生石舟斎に激辛お菓子を食べさせようと謀るところから物語は始まり、ロシアンルーレット対決へ。肩の力を抜いて笑いたい人にお薦めしますw
COLLECTION 17「Sunshine Ruler」(劉備)
ついに「三国志」にまで足を踏み入れた『戦コレ』ワールド。劉備玄徳が何故か派遣の家政婦さんをやっていて、何故かおとぎ話チックな呪いにかかっています。堀江由衣さん演じる天真爛漫な劉備ちゃんが可愛くて、ほっちゃんファンならそれだけで観る理由として十分かと…
ストーリーは優しくて柔らかい人情話。心温まります(^^)
COLLECTION 18「Four Leaves」(大谷吉継)
一番の異色回。映像と音響の演出がとにかく異色です。この回だけで『戦コレ』が解るとは言えませんが、この回だけでも観る価値はあると思います(制作現場の裏話はこちらの記事で語られてます)
西洋アート風の映像と情緒的なストーリーは、昔に観た『まんが世界昔ばなし』のシリアス回を思い出しました。1話ごとの完成度ではこの回と第19話が双璧ではないでしょうか。涙腺直撃回です(´;ω;`)
COLLECTION 19「Vengeful Fang-IS」(明智光秀)
個人的お気に入り回その4。ジャンルとしては推理ドラマです。
性質上内容には触れませんが、全編に漂う横溝正史テイストを始め、ミステリ好きが喜ぶネタが盛り沢山。プロットも丁寧に作り込まれていて、ミステリにあまり興味が無い人もきっと楽しめると思います。
家康ちゃんや秀吉ちゃんがゲスト出演してますので、キャラ目当ての視聴でも…(^^)
COLLECTION 20「Vengeful Fang-OS」(明智光秀)
第19話を受けての光秀回の後編。この回から観ても大きな支障はありません。
信長が『戦コレ』の主人公なら、ヒロインは光秀。第1話冒頭の“本能寺の変”に至るまでが光秀の視点から細やかに描写されています。現代へ飛ばされる前の武将達の様子も見られる貴重な回です(^^)
あと、ボクっ娘キャラが萌え属性な人は森蘭丸ちゃんに注目!
COLLECTION 21「Cavalry Queen」(武田信玄)
戦国武将、宇宙へ。無人の宇宙ステーションを舞台にしたSF回です。
モチーフは映画『2001年宇宙の旅』とのこと。筋立てはシンプルながらツボを押さえた充実の内容で、映画1本分くらいの見応えがあると思います。まさに一騎当千な信玄さんの痛快アクションと、相棒ロボットのフサード29との名コンビぶりが見どころですv
COLLECTION 22「The Splendor」(片倉小十郎)
第4話、第15話に続く政宗編の第3章。4話でも回想で登場した小十郎が刑事となって、逃亡犯の政宗さんを追います。
濃密な昭和臭は松本清張の『ゼロの焦点』が元ネタということで納得。内容は社会派というよりハードボイルドを装った人情話です。
政宗編ですので、“ロリ叔母上”も登場しますよ♪
COLLECTION 23「The Dune」(尼子経久)
個人的お気に入り回その5。『戦コレ』を観たことのない人に1話だけ薦めるなら、この回を推します(^^)
幼稚園のお砂場を陣地に見立てた国盗り合戦。園児同士の“戦国乱世”が最初から最後まで面白いですw
モチーフの映画『デューン/砂の惑星』とは別に『銀河英雄伝説』のネタも多数仕込まれているそうで、ファンの間ではパロディとしても好評な模様です。
COLLECTION 24「Peaceful Empress-EX」(徳川家康)
第2話の後日譚。単独でも楽しめますが、2話を先に観た方がより一層面白いと思います。
「家康ちゃん可愛い♪」だけで十分楽しめる回ですが、家康ちゃん好きな人もそれほどでもない人も、観終わった時にはそれまで以上に家康ちゃんのことが好きになっているはずです(^^)
COLLECTION 25「Marshal Princess」(今川義元)
最終回直前で何故か川釣り回…元ネタは『釣りキチ三平』のようですが、義元役の清水愛さんの釣り好きも反映されてるみたいですねw
第10話で登場済みの風魔小太郎と太原雪斎も再登場。信長への対抗勢力サイドを描くことで最終回への前振りの役割も果たしていますが、単独で釣りアニメとしても楽しめると思います。
FINAL COLLECTION「Sengoku Collection」
大団円です。最短コースで視聴するなら「1話→10話→13話→20話→(25話→)最終話」という順番で一応繋がりますが、全てのエピソードを観た上で最終回に臨めば最大級の感動が味わえます。
「かめラスカルのアニメ&趣味の戯言」のかめラスカルさんの最終回感想記事(こちら)から引用させて頂きますが、「戦国コレクションというコレクションにはまった度合いが高い人ほど最終回は感動」の一言が全てを言い表していると思います(^^)
各回の紹介は以上です。
初めは「『戦国コレクション』エピソード&キャラクター マイベスト5」とでも銘打ってお気に入りの話とキャラについてだけ語ろうと思ってましたが、そんな一人よがりな内容より「『戦国コレクション』というアニメを一人でも多くの人に観て欲しい!」という気持ちを素直に表現しようと思い直し、柄にもなく頑張ってみました(^^;)
これから『戦コレ』を観る人の視聴の一助になれば幸いです♪
最後になりましたが、この記事を書く上で沢山のwebサイト・ページを参考にさせて頂きました。これまでに読んだ『戦コレ』関係の文章(感想記事、特集記事etc.)の全てがこの記事の血肉となっている、と言っても過言ではありません。
ここに感謝の意を示しつつ、中でも参考になったサイトを紹介させて頂きます↓
かめラスカルのアニメ&趣味の戯言
全エピソードのあらすじと感想。
リンク先の記事の中で各感想記事が整理されています。
記事を書く上で直接は参考としていませんが、モチベーション向上に役立てさせて頂きましたw(素敵なイラスト揃いなので紹介します^^)
たまごまごごはん
第18話までの紹介記事。
以前にも関連記事としてリンクを張らせて頂きました。最終回までの完全版を切望します…
ぬる~くまったりと
あらすじと感想でほぼ全エピソードを網羅。
リンク先は『戦国コレクション』カテゴリーの記事一覧です。
マト×アニメ
2chでの感想のまとめ。
放送当時の反響やモチーフ等の考察を参照させて頂きました。
各サイトの管理人様には大変お世話になりました。
ありがとうございます<(_ _)>
関連サイト
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