たらさいと
視聴中のアニメの感想を中心にあれこれとマイペースにつぶやくブログ。ツイート以上、レビュー未満。
漫画感想 『るろうに剣心-キネマ版-』終幕(ジャンプSQ.7月号)
第十幕…で、いいんですよね?
(話数とサブタイトルの表示がどこにもありませんでしたが…)
(追記)単行本で「終幕」となっていましたので記事名を修正しました。

『るろうに剣心-キネマ版-』、ついに完結です!
ここから先はネタバレ有りでの感想となりますので、未読の方はご遠慮下さい<(_ _)>
あと、長文注意ですw
…さて。
何から書きましょうかね(^^;)

先々月の衝撃的な引きからあれこれ考えたコトを整理しながら、今月の最終幕の内容と照応させていく…という流れが書きやすそうなのでそんな感じで行ってみます(^^)

刃衛に刺される」という『るろうに剣心』本編には無かった展開に踏み込んだ前回の時点で、「キネマ版」の着地のさせ方に関して3つの分岐点があったと思います。
薫を死なせるか・死なせないか。
剣心に刃衛を殺させるか・殺させないか。
剣心を神谷道場にとどまらせるか・流浪人として旅立たせるか。

まず1つ目、薫の生死について…
一体どちらに転がるのかと先々月からハラハラしていた部分ですが、「キネマ版」が単純なリメイクではないなら和月先生がジャンプ連載時に採らなかった展開=薫の死を描こうとしている…というのは大いに考えられると思っていました。
むしろそれくらい大胆なパラレル展開を描いてこそ「キネマ版」の意義があるというか、薫を殺してしまうことの是非(読者の需要に沿っているのかという意味で)を別にすれば「あり得たかも知れないもう一つの『るろうに剣心』」を描くという試みは面白いですよね(^^)

そして今月の「キネマ版」最終回。和月先生は薫を死なせないという選択を再び採りました。
和月先生の真意はコミックス下巻(のフリートーク欄)で語られると思いますが、先生の「少年漫画の基本は笑顔と、ハッピーエンド」という持論からは必然の帰着だったのかも…と、これは今月の最終ページを見て感じたことです(^^)
掲載誌が変わっても、設定がパラレルでも、『るろうに剣心』は少年漫画という本質は揺らがない、ということで自分は納得していますv

残り2つの分岐点の話もありますのでメタな考察もどきはこのくらいにして、作中レベルでの話を少し。
抜刀斎風に言うなら「刃衛が殺す気で刺した以上、薫の死は絶対」だと思ってたんですが、天翔龍閃を掌の傷口で受けたのがその「絶対」を覆す布石になっていたとは…
逆刃刀が生んだ奇跡を陳腐と捉えるか感動するかは人それぞれだと思いますけど、少なくともtaraは刃衛の「この俺にまで“不殺”を強いるかッ 逆刃刀ォオ!!!」にシビれました(^^)

2つ目の分岐点、剣心が“不殺”を破るかどうか
この点は前回の感想でも書きましたが、剣心が抜刀斎に戻ったまま刃衛を斬って決着…という展開だけはあり得ないだろう!と(^^;)
薫の生死に関係なく、もしそんな終わらせ方をしちゃったらそれはもうハッピーエンドがどうとかそういう次元の話じゃなくて、『るろうに剣心』のテーマって一体何なの?というコトになりかねませんからね~

そんなわけで、剣心の「拙者はお主を殺さない」という決着のさせ方には納得。というか当然v
仮に薫が死んでしまっていたら抜刀斎をどうやって正気に戻すのか…とかも考えてましたが、その点は取り越し苦労に終わりました(^^;)

「不殺の男なんざには 俺の生も俺の死もくれてはやらん」
ジャンプ連載版の本編には無かったセリフですが、人斬りのプライドを感じさせる刃衛らしい捨てゼリフですね。
幕引きは刃衛自身の手で。やはりこの形が一番だと思います。
「人斬りは所詮死ぬまで人斬り」という“呪い”を剣心の胸に刻みながら果てる死にざまも本編の黒笠編と同じですが、そこから剣心の足下の血溜まりをクローズアップして剣心の戻る場所というテーマへ繋げる流れは「キネマ版」のオリジナル。ここからは3つ目の分岐点の領域ですね(^^)

ということで3つ目。剣心が神谷道場を去るかどうかですが…
これについてはたとえ薫が死ななかったとしても、剣心が再び流浪の旅に出るというラスト(文字通りの流浪人エンド)になるんじゃないかと思ってました;

理由はいくつかありまして…
まず、第六幕の冒頭で剣心が薫が語る「戯れ言」を受け入れなかったこと。剣心が薫の「甘っちょろい戯れ言」を好きだと言って神谷道場に落ち着いた『るろ剣』本編(第一幕)との相違は、離別フラグのように思えました。
それに、「キネマ版」の剣心と薫はそこまで深い仲になってるわけではありませんので、薫の存在が剣心をいつまでも神谷道場に繋ぎ留める役割を果たすことはないのでは…とも思いました。

そして何よりも、和月先生が当初30週程度での終了を想定して考えていた『るろ剣』の最終回が「剣心は神谷道場から去っていってしまうというラスト」だった、ということ(←連載終了後に発売されたファンブック「剣心華伝」収録のインタビューより)
「キネマ版」のコミックス上巻のフリートーク欄によれば「キネマ版」は「連載前の目標三十週を想定して構成した、いわばヒナ型」をベースにしているとのことですので、そうなるとラストは剣心の旅立ちで締めるというのが一番あり得そうに思えました。

でも、剣心が選んだのは「さようなら」ではなく「ただいま」でした(^^)
血溜まりから剣心を引き戻した薫の言葉は、「キネマ版」のテーマが集約された今回のハイライトだと思いますv
「時代を変えても 刀を変えても 人(あなた)が変わらなければ何も変わらない」

第一幕で「幕末(いま)は 血溜まり(ここ)でいい――…」とつぶやいていた抜刀斎=剣心の、血溜まりからの決別。
休載を何度も挟んだこともあって間延びしてしまった印象は否めない「キネマ版」ですが、第一幕からテーマは一貫していたことがよく判る今回の最終幕でした(^^)

薫は死なない・剣心は刃衛を斬らない・剣心は神谷道場に残る、と結果だけ見れば本編と同じ結末に落ち着きましたが、そこに至るまでに辿った過程は全く別の物語なわけで(^^)
実写映画のプロモーションも兼ねた短期連載だったはずが1年以上にわたる長丁場となりましたが…『るろうに剣心-キネマ版-』、大いに楽しませてもらいました♪
(次号の「重大発表」って何でしょうね…もうこれ以上何があろうと驚きませんが^^;)

最後に、九頭龍閃(ここのつがしらのりゅうのひらめき)について。こっちが奥義でしたか~(^^)
九頭龍閃(くずりゅうせん)って元々は飛天御剣流の奥義として考案された技でしたけど、こういう形での返り咲きはリメイクならではですねv
絵的には天翔龍閃より断然派手ですしw


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テーマ:るろうに剣心 - ジャンル:アニメ・コミック

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剣心の目の前で薫がひと突きにされ、ついに彼の中の抜刀斎が覚醒。 ついに刃衛との最終決戦が開始! というところなんだけど、いろんな意味で万感胸に迫った最終回だったねえ。
2013/06/07(金) 22:20:28 | 早乙女乱子とSPIRITのありふれた日常